筆記試験に合格したあと、次に待っているのが口述試験です。ただ、筆記試験からはそれなりに期間が空くため、いざ口述試験の対策を始めてみると「あれ、これ覚えていたはずなのに」という内容が意外と出てきます。今回は前回の択一・記述編に続き、口述試験当日の実体験を、待機時間から質問への向き合い方まで、できるだけ具体的にお話しします。

筆記試験からの空白期間|覚えていたはずのことを忘れている

筆記試験に合格してから口述試験までは、ある程度の期間が空きます。この間に、それなりの分量を覚えていたはずの知識が、思っていた以上に抜け落ちていることに気づかされました。筆記試験の記憶が新しいうちは何とかなると油断していると、いざ口述試験の対策を始めた時に「あれ、これ何だったっけ」となる範囲が意外と多い、というのが正直な実感です。

待機時間|35人中32番目、2時間半という長丁場

当日、口述試験の受験者は約35人で、私の順番は32番目でした。自分の番が回ってくるまで、2時間半ほど待機することになります。この待ち時間、スマートフォンは触らず、持ってきた対策本を読んで過ごしていました。それでも、2時間半という時間をただ待って過ごすのは、想像以上に大変でした。緊張感を保ちながら知識を確認し続けるのは、地味に体力を使う作業です。

入室の瞬間|がらんとした会議室に、椅子がひとつ

自分の番が呼ばれ、下の階の会議室へ向かいます。ノックをして中に入ると、そこそこ広い会議室の真ん中に、ぽつんと椅子が一脚置かれていて、その向かいには試験官が2人、すでに着席して待っていました。普段はあまり緊張しないタイプだと自分では思っているのですが、この場面では、自分でも驚くくらい緊張したのを覚えています。

質問内容|基本的には口述試験対策本の範囲

質問内容そのものは、市販の口述試験対策本に載っている内容が、ほぼそのまま出てくる印象でした。事前にしっかり対策本を読み込んで臨めば、大部分は答えられる範囲だと思います。

3問目でつまずいた5分間

ただ、3問目あたりで出た質問に、うまく答えることができませんでした。その一問だけで5分近く時間を使ってしまい、それでも結局、納得のいく答えを返すことはできませんでした。さらに試験の最後、試験官から「もう一度確認させてください」と、その3問目を再度聞かれてしまいます。模範的な回答がどうしても思い出せず、しどろもどろになりながら、自分の言葉で何とか答えを返しました。冷や汗がすごかったのを覚えています。

受験者数 約35人
自分の順番 32番目
待機時間 2.5h

感想|対策本は1〜2冊、模擬面接は複数回がおすすめ

結果として、口述試験で不合格になった人はいませんでした。「口述試験は基本的に落ちない」という話はよく聞きますが、実際にその通りだったと思います。ただ同時に、これは「対策しなくても受かる試験」という意味ではないとも感じました。おそらく、口述試験を受けに来ている人は、皆それぞれにきちんと対策をしてきているからこそ、結果的に誰も落ちないのではないか、というのが個人的な見方です。

だからこそ、口述試験対策本は最低でも1〜2冊は購入して、内容を暗記した上で臨んだほうが絶対にいいと思います。「筆記試験の内容を覚えているから大丈夫」と何も対策をせずに臨むと、落ちる可能性は十分にあると思います。また、模擬面接は効果的な対策法で、できれば一度と言わず複数回受けておくことをおすすめします。

知識があることと、それを人前で、口頭で、
落ち着いて説明できることは、
まったく別の力だと実感した試験でした。
あとがき これもあくまで私個人の体験です。口述試験に苦手意識のある方に、当日の雰囲気や心構えとして、何か一つでも参考になれば嬉しいです。

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高橋將太(土地家屋調査士)

高橋將太土地家屋調査士事務所(福岡市南区大楠)。ドローン・GIS・ITを活用した測量登記業務を展開。境界確定・建物登記・地目変更など不動産登記全般に対応。福岡県土地家屋調査士会会員。